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2026-08-10

生成AIの顧客対応リスク6つと対策|導入前に確認すべきこと

生成AIの顧客対応リスク6つと対策|導入前に確認すべきこと

顧客対応に生成AIを使いたいと提案したところ、「もし間違ったことを答えたらどうするのか」「お客様の情報は大丈夫なのか」と問われて答えに詰まった。リスクがあることはわかっているが、何がどう危ないのかを整理できていないため、社内を説得する材料が作れない——。導入を任された担当者が最初につまずくのは、リスクの全体像が見えないことです。

この記事では、生成AIを顧客対応に使う際に想定すべきリスクを6つに整理し、それぞれを設計でどう抑えるかを解説します。社内での説明資料を作る際の下敷きとしてご利用ください。

顧客対応の生成AIリスクは「誤回答」だけではない

結論から言うと、生成AIの顧客対応リスクとして最も知られているのは誤回答ですが、実務で問題になりやすいのは、むしろ検討時に見落とされている他のリスクです。

誤回答(ハルシネーション)は広く知られているぶん、多くの製品が対策を用意しており、比較検討でも話題に上がります。一方で、「預けた資料や会話データがどう扱われるのか」「AIだと気づかれないまま応対が進むことの是非」「利用が増えたときの費用」といった論点は、機能一覧に現れにくく、導入後に問題として浮上しがちです。

リスクは潰し切るものではなく、洗い出して、それぞれに手当てを決めるものです。まずは全体像を6つに分けて把握してください。

想定すべき6つのリスクと、設計で抑える対策

結論として、顧客対応で生成AIを使う際のリスクは次の6つに整理できます。性質の違いに注目すると、対策の考え方が見えてきます。

# リスク 何が起きるか 設計での抑え方
1 誤回答(ハルシネーション) 事実と違う内容を、もっともらしく回答する 回答の根拠を自社資料に限定する。資料にない質問には答えず人へつなぐ
2 言ってはいけないことを言う 金額・納期・可否を確約する、不適切な表現を使う 確約禁止の領域と禁止表現を応対ルールとして設定する
3 情報の取り扱い 預けた資料や会話データが想定外の用途で使われる 学習利用の有無・利用目的の範囲を契約前に確認する
4 AIと人の誤認 利用者が人間の担当者だと思い込んだまま応対が進む 応対の相手がAIであることを明示する
5 利用コストの予測困難 利用が増えるほど費用が膨らみ、予算が読めなくなる 利用量に上限を設定し、利用状況を可視化する
6 運用の陳腐化 情報が更新されず、古い内容を案内し続ける 更新の担い手と頻度を決める。答えられなかった質問を履歴から拾う

生成AIの顧客対応リスク6つを性質別に3層へ分けた図解

性質で分けると、1と2は「発生そのものを防ぐ」設計、3と4は「前提として決めておく」設計、5と6は「運用を続けるための」設計です。どれか一つを厚くしても全体の安全性は上がらないため、6つそれぞれに担当と方針を決めておくことをおすすめします。

このうち1(誤回答)は最も深く設計する必要がある領域で、詳細は AIチャットボットのハルシネーション対策 で解説しています。本記事では、見落とされやすい3・4・5を中心に掘り下げます。

見落とされやすい「情報の取り扱い」

結論として、情報の取り扱いは機能比較では差が見えにくいのに、社内の承認では必ず問われる論点です。確認すべきポイントは次の3つです。

  • 入力したデータがAIの学習に使われるか: 学習に使われる場合、自社の情報が外部に影響を及ぼす可能性が生じます。法人向けの提供形態では学習利用を行わない設計が一般的ですが、必ず個別に確認してください
  • 預けた資料・会話データの利用目的の範囲: サービス提供以外の目的(分析・改善・他社への提供など)に使われないか、契約前に明文で確認します
  • どのAI基盤を使っているか: 回答生成に使われている基盤が明示されているかどうかも、判断材料になります

当社が運営するAIマドグチの場合は、お預かりした資料・会話データを本サービスの提供目的以外には使用しません。回答生成には大手AI事業者の法人向けAPIを利用しており、入力データがAIの学習に使われることはありません。

なお、設計側の工夫として、そもそも扱う情報の範囲を絞るという考え方も有効です。知識ベースに載せるのは「一般的な案内として公開できる情報」に限り、個別の顧客情報や機微な記録は自動応答に扱わせない。この線引きを最初に決めておくと、確認すべき論点そのものを小さくできます。

見落とされやすい「誤認」と「コストの予測困難」

結論として、この2つは事故が起きてから対処するのが難しいため、導入前に方針を決めておく必要があります。

AIと人の誤認について。 利用者に「AIが応対している」と伝えるかどうかは、設計思想の問題です。AIマドグチでは、応対の相手がAIであることを利用者にきちんと明示する方針をとっています。伏せたほうが会話がスムーズに進む場面はありますが、あとで気づかれたときに失われるのは、その会話への信頼ではなく会社への信頼だからです。誠実に明示しておくほうが、結果としてブランドを守ることにつながると考えています。

明示にはもう一つ実務的な利点があります。AIによる回答だと利用者が理解していれば、内容に疑問を感じたときに人へ確認する行動を取りやすくなります。誤回答が実害に至る前の、最後の歯止めとして働くわけです。

利用コストの予測困難について。 生成AIは利用量に応じてコストが変動する構造を持つため、問い合わせが増えるほど費用が読めなくなる懸念があります。AIマドグチでは、AIの利用量に日次・月次の上限を設定でき、想定外のコスト増を防げるようにしています。利用状況は管理画面でいつでも確認できます。予算で動く企業実務では、費用の絶対額より「天井を自分で決められるか」のほうが承認を得やすい、という考え方によるものです。費用の内訳の考え方は チャットボットの費用はなぜ幅があるのか で解説しています。

社内でリスクを説明するときの整理

結論として、社内説明では「リスクをゼロにします」と言わないほうが通りやすくなります。決裁者が知りたいのは、リスクの有無ではなく、起きたときにどうなるかだからです。

説明は次の3点で構成することをおすすめします。

  1. どのリスクがあるか: 前述の6つを挙げ、自社にとって重いものを特定する
  2. どう抑えるか: リスクごとに、設計・契約・運用のどれで手当てするかを示す
  3. どう発見し、どう直すか: 応対履歴の確認体制と、問題が見つかったときの修正手順を示す

特に3は説得力を左右します。「誤回答は起きない」という説明より、「誤回答は履歴で発見でき、知識ベースの修正で再発を防ぐ運用にします」という説明のほうが、決裁者にとっては現実的で安心できる材料になります。

なお、この段階で効果の数値(問い合わせ何割削減など)を約束するのは避けたほうが賢明です。根拠のない数値は、達成できなかったときに担当者の信頼を損ないます。サービス比較の観点は チャットボット比較の7つの軸、導入プロセス全体は カスタマーサポートにAIを導入する手順 をご覧ください。

AIマドグチの場合のリスク対処

結論として、6つのリスクに対する当社の対処は次のとおりです。あわせて、向かない場合も正直にお伝えします。

リスク AIマドグチの対処
1. 誤回答 回答の根拠をお預かりした資料に限定。資料にない質問には推測で答えず「わかりかねます」と伝え、有人窓口を案内
2. 言ってはいけないことを言う 使ってはいけない表現・答えてはいけない話題・クレーム時の対応方針を、貴社のポリシーに合わせて設定
3. 情報の取り扱い お預かりした資料・会話データは提供目的以外に使用しない。大手AI事業者の法人向けAPIを利用し、入力データはAIの学習に使われない
4. AIと人の誤認 応対の相手がAIであることを利用者に明示
5. コストの予測困難 利用量に日次・月次の上限を設定可能。利用状況は管理画面で確認可能
6. 運用の陳腐化 商品やサービスの変更に合わせて知識ベースの更新を継続的にサポート。会話履歴も管理画面で確認可能

一方、次の点は導入前にご確認ください。窓口はLINE中心で、電話応対やWebサイト埋め込み型のチャットは対象外です。構築・テストに2〜4週間程度かかるため、即日の利用開始はできません。料金は内容に応じた個別お見積りで、公開の定価はありません。また、個別の顧客データを参照した回答や、専門的な判断を要する回答は行いません。

よくある質問

生成AIを顧客対応に使うのは危険ではないですか?

無条件に使えば危険は残りますが、設計次第で実用可能な水準まで抑えられる、というのが実態に近い答えです。危険とされる場面の多くは、汎用のAIチャットをそのまま窓口に置いた場合を想定しています。回答の根拠を自社資料に限定し、答えられないことは答えない設計にし、確約してはいけない領域をルールで制限すれば、リスクの性質は大きく変わります。「生成AIが危ないか」ではなく「どう制約をかけた生成AIか」で判断することをおすすめします。

入力した情報がAIの学習に使われることはありますか?

サービスによって異なるため、必ず個別に確認してください。一般的に、法人向けに提供されているAPIの利用形態では入力データを学習に使わない設計が採られていますが、これはサービスごとの契約条件によります。AIマドグチの場合は、回答生成に大手AI事業者の法人向けAPIを利用しており、入力データがAIの学習に使われることはありません。お預かりした資料・会話データも、本サービスの提供目的以外には使用しません。

AIが不適切な発言をしてしまうリスクはどう抑えますか?

応対ルールの設定で抑えるのが基本です。使ってはいけない表現、答えてはいけない話題、クレーム時の対応方針をあらかじめ決めておくことで、AIが会社の方針から外れた発言をする余地を狭められます。特に見落とされやすいのが「事実として正しいが、その場で言うべきでないこと」です。金額や納期の確約、条件付きでしか適用できない特例の案内などがこれにあたります。正しさの確認だけでなく、言ってよいかどうかの線引きまで設計してください。

リスクを理由に導入を見送るべきケースはありますか?

あります。次のような場合は、無理に導入しないほうがよいと考えられます。第一に、問い合わせの大半が個別の判断や交渉を伴い、定型的な質問が少ない場合。自動化できる範囲が小さく、費用に見合いません。第二に、社内に運用の担い手を置けず、更新を任せられる方式も選べない場合。情報が古くなり、かえって誤案内の原因になります。第三に、対応チャネルが自社の顧客層と合わない場合です。たとえばAIマドグチはLINEが窓口のため、お客様がLINEを使わない層であれば効果は期待しにくくなります。導入の是非は、リスクの大きさだけでなく、こうした前提条件との適合で判断してください。

問い合わせ対応の自動化、まずはお気軽にご相談ください

貴社の資料・FAQをもとに、専任スタッフが「会社専用のAIサポート窓口」をLINE上に構築します。
構築・運用はすべて代行。料金は内容に応じた個別お見積りです。

AIマドグチのサービス詳細を見る メールで相談する(all@bright39.com)

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