電話対応を減らしたい会社へ|少人数でもできる5つの現実的な対策
作業に集中し始めた矢先に電話が鳴る。対応を終えて戻ると、さっきまで何をしていたか思い出すところからやり直し。電話の内容は、Webサイトに書いてあることの確認だった——。少人数で事業を回している会社では、こんな一日が当たり前になりがちです。
電話対応を減らしたいというのは、決してお客様を軽視する発想ではありません。この記事では、電話がかかってくる理由を分解したうえで、電話を「禁止する」のではなく「自然に減っていく」状態を作るための、現実的な5つの対策を解説します。
電話を減らす鍵は「電話でなくても済む用件」を手前で解決すること
結論から言うと、電話対応を減らす本質は、電話の受け方を工夫することではなく、「電話をかけなくても解決できる用件」を電話の手前で解決してしまうことです。
かかってくる電話がすべて、電話でなければならない用件とは限りません。営業時間の確認、料金の目安、予約の空き状況。こうした用件は、別の場所で答えが得られるなら、お客様にとっても電話より速くて楽な場合があります。
つまり「電話を減らす」と「顧客対応の質を下げる」は別の話です。定型的な用件を電話以外で解決できるようにし、電話は本当に会話が必要な相談に絞る。これは対応の質をむしろ上げる方向の取り組みです。
電話対応が少人数の会社を圧迫する構造
電話対応の負担が大きいのは、件数だけの問題ではありません。少人数の会社にとって電話には、構造的に重い性質が4つあります。
- 作業を強制的に中断させる: メールやLINEと違い、電話は「あとで対応する」を選べません。集中していた作業は中断され、戻るにも時間がかかります
- 1本の電話が1人を丸ごと占有する: 通話中はその人の他の業務が完全に止まります。同時に2本は受けられず、話し中はお客様を逃すことにもなります
- 内容の記録が残らない: 言った・言わないの確認ができず、対応内容の共有も引き継ぎもメモ頼みになります
- 営業時間外は取りこぼしになる: 夜間や休日の着信には対応できず、折り返す頃にはお客様の関心が冷めていることもあります(対策は 24時間の問い合わせ対応を実現するには で解説しています)
この4つは、電話というチャネルの性質そのものなので、「頑張って受ける」やり方では解消できません。用件の一部を別のチャネルへ移すことが、根本的な対策になります。
電話がかかってくる理由を分解する
結論として、電話がかかってくる理由はおおむね次の4つに分解でき、それぞれ「減らせる余地」が異なります。対策の前に、自社の電話がどれに偏っているかを把握してください。
- 情報が見つからないから: 知りたいことがWebサイトにない、あるいは見つけられない。→ 減らせる余地が最も大きい領域です
- 文字を打つより話すほうが楽だから: 問い合わせフォームは面倒、メールは堅苦しい。→ もっと手軽な文字のチャネル(LINEなど)があれば移ってもらえる可能性があります
- 急いでいるから: 今すぐ答えがほしい。→ 即時に答えが返る仕組みがあれば、電話でなくてもよい場合があります
- 直接話して安心したいから: 大事な相談は人と話して決めたい。→ 無理に減らすべきではない領域です。むしろこの電話に時間を割けるようにするのが目標です

1〜3は仕組みで移せる可能性がある一方、4は電話の価値そのものです。「電話ゼロ」ではなく「1〜3を移して4に集中する」が現実的なゴール設定になります。
電話を減らす5つの現実的な対策
結論として、取り組みやすい順に並べると次の5つです。上から順に着手し、組み合わせることで効果が期待できます。
対策1: Webサイト・FAQの見直し
電話で聞かれた質問を記録し、その答えをWebサイトの見つけやすい場所に載せることから始めます。費用はほぼかからず、今日から着手できます。ただし「載せる」と「見つけてもらえる」は別問題で、これだけで大きく減らすのは難しい面もあります。
対策2: 予約・注文のオンライン化
電話の用件が予約や注文に偏っているなら、予約システムやオンライン注文の導入が直接的です。電話でしか受け付けていない業務があるかどうか、一度棚卸ししてみてください。
対策3: LINE窓口の設置
「フォームは面倒だが、LINEなら送れる」という人は少なくありません。LINE公式アカウントを問い合わせ窓口として案内すると、電話の一部が文字のやり取りに移ることが期待できます。文字なら同時対応も、あとから対応することもでき、記録も残ります。
実際に窓口を移すときの手順は 電話からLINEへ問い合わせを移行する手順 で解説しています。
対策4: AIによる24時間の一次対応
LINE窓口を設置しても、返信が翌日なら「急いでいる人」は結局電話を選びます。ここにAIの自動応答を組み合わせると、深夜や休日を含めて質問にその場で回答でき、「急ぎだから電話」の一部を吸収することが期待できます。LINEの自動応答でできることは LINE自動応答をAI化するには? で詳しく解説しています。
対策5: 電話番号の掲載位置と導線の設計
Webサイトの目立つ場所に電話番号だけが載っていれば、お客様は電話を選びます。「よくある質問はこちら」「LINEで24時間受付」を先に示し、電話は「解決しない場合の窓口」として案内する。この導線の順番だけでも、電話への流れ方は変わっていきます。電話番号を隠すのではなく、選択肢の提示順を変えるのがポイントです。
なお、FAQやチャットボットも含めた自動化手段の全体像は 問い合わせ対応を自動化する5つの方法 で整理しています。
士業事務所のように、相談前の定型質問が電話の多くを占める業種での進め方は 士業事務所の電話対応を減らすには で解説しています。
AIでLINEの一次受付を作る場合の考え方
結論として、電話の手前に置く窓口は「即答できること」と「誤案内をしないこと」の両立が条件になります。電話の代わりに使ってもらう窓口が間違った案内をすれば、かえって電話とクレームを増やすからです。
当社が運営するAIマドグチは、商品知識・マニュアル・FAQを学習したAIが、貴社のLINE公式アカウントを窓口に24時間問い合わせ対応する構築代行型のサービスです。電話との対比で言えば、深夜や休日の質問にもその場で回答でき、会話履歴が管理画面にすべて残るため「言った・言わない」が起きず、よくある質問の傾向を商品やサービスの改善に活かせるという違いがあります。
誤案内への備えとしては、「知らないことは答えない」設計を採用しています。学習した資料にない質問には推測で答えず、わかりかねる旨を正直に伝えて有人窓口をご案内します。電話の代替となる一次受付では、答えられない質問を人につなぐ動きが正確であることが、何でも答えようとする賢さより重要だと考えているためです。この設計の詳細は AIチャットボットのハルシネーション対策 をご覧ください。
また、電話に慣れたお客様に文字の窓口を使ってもらうには、会話の心地よさも軽視できません。当社は個人向けAIサービス「トモアイ」をLINE上で運営してきており、チャットで読みやすい自然な会話の作り方や、質問が複数のメッセージに分かれて届く場面への対応といったLINE特有のノウハウを、AIマドグチにも反映しています。
一方で、正直にお伝えしたい点もあります。AIマドグチが対応するのはLINE上のやり取りで、電話応対そのものを自動化するサービスではありません。また、即日開始はできず構築に2〜4週間程度かかり、料金は個別お見積りで公開定価がありません。電話を直接減らすのではなく、電話の手前に24時間動く一次受付を置くことで電話を「本当に必要な相談」に絞っていく、という位置づけでご検討ください。
よくある質問
電話対応をゼロにすることはできますか?
ゼロを目指すことはおすすめしません。電話には「直接話して安心したい」「複雑な事情を相談したい」という固有の価値があり、これを断つと顧客体験を損なう可能性があります。現実的な目標は、情報確認や定型的な用件を電話以外で解決できるようにし、電話を本当に会話が必要な相談に絞ることです。結果として電話の件数は減り、1本1本に丁寧に対応できるようになることが期待できます。
高齢のお客様が多くても電話は減らせますか?
お客様の層によって減らせる幅は変わります。電話を主な連絡手段とする層が多い場合、無理に別チャネルへ誘導するのは逆効果になりかねません。その場合も、電話以外を好む層(若い世代や日中忙しい層)の用件をLINEやFAQに移すことで、電話の総量を一定程度減らせる可能性はあります。電話を残しつつ選択肢を増やす、という設計であれば、どの層のお客様にとっても不利益にはなりません。
LINEの窓口を作れば本当に電話は減りますか?
窓口を作るだけでは減らない場合があります。ポイントは導線と応答速度です。電話番号より先にLINE窓口が目に入る導線になっているか、送った質問にすぐ返事が来るか。この2つが揃って初めて「電話よりLINEのほうが楽で速い」という体験が生まれ、電話からの移行が期待できます。逆に、返信が翌営業日のLINE窓口は「急ぎの人」を電話に押し戻してしまいます。
電話の自動音声応答(IVR)とは何が違いますか?
自動音声応答は、かかってきた電話に音声ガイダンスで応じ、番号操作で振り分ける仕組みで、電話というチャネルの中での効率化です。一方、この記事で紹介したのは、電話の手前に別のチャネル(FAQ・LINE・AI応答)を用意して、電話をかける必要自体を減らすアプローチです。両者は排他的ではありませんが、少人数の会社では、まず電話以外で解決できる導線を整えるほうが、お客様の不満(長いガイダンスへの抵抗感など)を生みにくい進め方だと考えられます。
貴社の資料・FAQをもとに、専任スタッフが「会社専用のAIサポート窓口」をLINE上に構築します。
構築・運用はすべて代行。料金は内容に応じた個別お見積りです。